今日、ソフトウェア開発において、ジェネレーティブAI(生成AI)が猛烈なスピードで台頭しています。ガートナーは、2028年までには企業エンジニアの75%もがコーディングにAI支援を導入すると予測しています。では、QAチームがこのAIの普及ペースに遅れを取らないためにできることは何でしょうか?その答えは「AIを活用したテスト」です。

設立当初からAIを活用したテストの最前線に立ってきたmablでは、AI駆動型の開発と従来のQA手法とのギャップをなくすことが差し迫った課題であると考えてきました。今回、その想いを反映し、最先端の生成AIテクノロジーを基盤に構築した画期的な新機能を2つご紹介いたします。

  • 生成AIアサーション:ビジュアル、AI機能、テキスト翻訳、チャットボットなどの複雑なアプリの動作に期待される結果を自然言語で記述し、簡単に検証する。
  • 生成AIでのスクリプト作成:開発者、テスター、プロダクトマネージャー間のサイロをなくし、チームの誰もが、複雑なテストシナリオ処理のためのコードを作成可能。

生成AIアサーション:「正しさ」を動的に定義

従来のテストアサーションは依然として重要ですが、AIが作成した要素をテストする場合には根本的に限界があります。その理由は、従来のアサーションは、CSSクラスを指定した名前で検証したり、要素内で求められるinnerTextを確認したりするなど、事前に定義された静的な基準に依存しているためです。しかし、AIに作られたテスト対象物は、動的に変化し、その都度ユニークな値を生成します。それにより「正しさ」の定義が難しくなるのです。たとえば、AIを使ったチャットボットの場合、そのメッセージは必ずしも常に同じ内容にはなりませんが、どのメッセージにも常に「正しさ」が求められており、それを検証することが必要になります。また、AIが作成した画像が、ユーザーの期待通りであるかどうかを検証しなければならないとします。従来のアサーションでは、このような高い変動性を持つ対象物をテストするのは非常に困難です。

mablの新しい生成AIアサーション機能は、テスト検証におけるパラダイムシフトです。テスターは自然言語のプロンプトを使って特定アプリのコンテキストにおいて期待される結果を記述します。mabl は生成AI を活用し、そのプロンプトに対するアプリのアウトプットを評価し、コンテキストに基づいて合格・不合格を決定します。mablのこの柔軟性のある機能によって、画期的な使用方法が多数考えられます。

  • 画像検証:AIが生成した画像が期待値と一致していることを確認。例えば 「画像に自転車が含まれているか」「写真内にタグ番号があるか」「透かし処理が正しく追加されているか」など。
  • テキスト分析:翻訳の正確さ、およびAI生成によるコンテンツの構造とトーンを検証。さらにはテーブル内のデータソートの正確さを検証。
  • AIチャットボットのテスト:チャットボットの応答のロジックや適切性を確認。文章の長さやフォーマット、必要な場合はクリックできるリンク設定などをチェック。

Screenshot GIF of a user providing a natural language assertion to ask if an AI-generated image is correct.
mablの生成AIによるアサーション機能で
「AIチャットボットの応答ロジックや適切性の確認」などの複雑なアプリケーション動作の検証が可能

AIを使ったテストの可能性は無限大です。個々のユーザーに合わせた体験の提供や、差別化のための独自機能の実装に生成AIを導入する企業が増えるにつれ、ユーザーに信頼性の高いユーザー体験や機能、品質がより重要になります。mablの生成AIアサーションがあれば、これらのニーズへの対応も簡単。アプリケーションが正しく表示されるかどうかだけでなく、意図通りに動作するかどうかをテストするのにも最適です。

生成AIでのスクリプト作成:テストシナリオ作成はチーム全員で

従来、複雑なテストシナリオを作るには、複雑なコードスニペットを書く必要がありました。これは特に、コーディングできない人にとって大きな障壁で、テスト作成のボトルネックとなり全体的なQAプロセスに関与すべきメンバーを制限してしまう原因となっていました。

mablの生成AIでのスクリプト作成機能によって、このプロセスが劇的に簡素化され、複雑なシナリオ作成の障害が取り除かれるので、結果として誰しもがスクリプトを作れるようになります。ユーザーフレンドリーなmablのインターフェイスは、コーディング知識のない人たちでも、信頼性が高いテストスクリプトの作成、スクリプトのテスト、必要なだけの変更がリアルタイムでできる設計になっています。複雑なシナリオをチームの誰もが処理できるようになる上に、これらのスニペットを一元管理されたリポジトリに追加しテストプロセスを通じて再利用できるので、チームの効率性と協力体制が改善されます。

生成AIでのスクリプト作成の仕組みは下記の通りです。

  1. インテントの説明:スクリプトに実行させたいアクションを自然言語で説明する。「30歳から65歳までの人のランダムな生年月日をMM/DD/YYYY形式で返す」など。
  2. リアルタイムコード生成:mablの生成AIエンジンによりリクエストされたアクションを実行するためのコードを生成する。
  3. テストと調整:生成されたコードをmabl内で直にテストし、アクションが正しく実行されることを確認。必要であれば変更や調整を行う。
  4. シェアと再利用:スクリプトを自分用に保存、もしくはチーム全員がアクセスできる集中ライブラリに追加する。

AIでのスクリプト作成機能の使用例:

  • 特定の条件を満たすユニークな文字列や値の生成(シミュレートされた製品IDコード、メールアドレス、名前、または地理的な場所など)
  • 特定の条件を満たすページ上の要素のカウント(チェックボックスの数やリスト内の項目数など)
  • 特定の方法でのブラウザとの対話(「現在のページを上下にスクロールする」など)
  • URLから特定の情報を抽出して操作(「URLからフォームIDを抽出して後で使用するための変数として保存する」など)

Screenshot GIF of a user using natural language to describe what they want to do and the mabl AI script generator providing the code to do that task.mablの生成AIでのスクリプト作成機能で、複雑なテストシナリオを処理するコードが誰でも作れる

mablの強み

生成AIが盛り上がる今、「AIウォッシング」と呼ばれる現象、すなわち、消費者の注目を集めるために自社サービスや製品へのAI導入を誇張宣伝する企業が増えています。しかし、mablは、創立当初からAIと共に歩んできました。この7年間、私たちは実際にAIを適材適所に活用して様々な問題を解決しながら製品やサービスを作ってきたのです。手動でしかできなかったテストを自動化したり、品質エンジニアリングをチーム全体への浸透させたりなど、統合プラットフォームの一環としてAIを活用し、ローコードテストを強化してきました。それこそが、ソフトウェア開発のペースに合わせた品質を確実に保証できる手段である、と私たちは強く信じています。

AIを使ったテストの未来

社会における生成AIは、間違いなく急速に変化し続けています。高信頼性の自動テストをスピーディで簡単に作成、メンテナンス、スケーリングを可能にする強力なAI機能を備えたmablは、お客様の事業の未来を左右する最重要な業務やタスクにおいて有用なサポートを提供します。「簡素化」がますます求められている今、mablは絶えず上を目指し、改良と進化を続けています。

お客様のチームや組織では、AIに関するどんな問題を抱えていますか?mablがその問題を解決できるかどうか、ぜひ新機能をお試しください。スクリプト作成機能は、現在mablをご利用の皆様にいつでもお使いいただけますが、生成AIアサーションは「早期アクセス」にお申し込みいただく必要があります。また、現在無料トライアルでmablをご利用の方で、これらの新機能をお試しになりたい場合、弊社カスタマーサービスまでご一報ください。

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