クロスブラウザテストとローコードテスト作成で開発チームの心理的・体力的コストを軽減したWeb完結型クラウド電子契約サービス「クラウドサイン」

クラウドサインは、従来の「紙と印鑑」による契約作業を「クラウド」に置き換え、契約締結から契約書管理までがオンラインでできるWeb完結型クラウド電子契約サービスです。コロナ禍のリモートワーク増加も影響し、現在、30万社以上の導入実績を誇っています。2020年、クラウドサインは品質保証プロセスの改善を目指し、mablのテスト自動化を導入しました。mabl導入の理由や成果について、弁護士ドットコム株式会社クラウドサイン事業本部Reliability Engineering部でQAチームマネージャーを務める芳賀将至(はが・まさし)さんにお話を伺いました。

mabl導入前の課題:過剰な時間と労力の消耗

タイムセンシティブな契約を扱うクラウドサインには、いつでもどこからでも確実に使うことのできるプロダクトの状態と品質を保つことが求められています。開発チームは、常に高い品質を確保し維持しなければならないというミッションのもとで、機能追加や改善に伴ってスピード感が求められるテストへの対応に追われていました。mabl導入前は、CI/CD上でテストを実行し、シナリオテストやE2Eテストは開発メンバー全員が画面操作して確認しており、また、ブルーグリーンデプロイメントの採用による頻繁なリリースと、クロスブラウザでの確認が必要であったことから複数ブラウザで同じ操作を絶えず手動で行なっていました。よって、開発メンバー全員の時間と労力の多くがテスト作業に費やされてしまい、リリースサイクルが長くなってしまいました。

テストの簡素化:クロスブラウザでの確認とローコードでのテスト作成

芳賀さんは、テスト作業負担の軽減、とりわけクロスブラウザでの確認作業にかかるコストの削減とメンバーの体力温存が必要だと考え、テスト自動化ツールmablに目をつけました。mablを既に導入している企業に話を聞き、mablの無料トライアルを利用して自社のテストニーズに応えることができるかどうかを確認しながら他のテスト自動化ツールと比較した結果、「テスト作成の工数を抑えることができ、テスト修正を簡単に行えるのでテストの陳腐化がしにくいというメリットがある」という理由で正式なmabl導入を決定しました。また、企業としての品質に対するコミットメント強化が求められる中、mablを導入している背景もあり、最大限のパフォーマンスを発揮するため新たにQAチームを作りました。

現在、クラウドサインでは、機能開発時のテスト作成やリグレッションテストの実行、バグ発見や自動修復によるデプロイ前のエラー検出、プロダクトに利用しているライブラリのバージョンアップに伴う動作確認などにmablを使っています。また、Slackとの統合により、QAチームメンバーだけでなく、開発チームの誰もが気軽に操作したり即座に不具合を確認したりできるようになりました。ローコードでテスト記述ができ、クロスブラウザで確認できるのがmablの強みであり導入コストを十分に正当化できる利点だとし、「デザイナーがテストの修正に参加したこともあります。テスト作成・修正のハードルが下がり、副次的に役割を超えてテストに対する関心が上がったということもあります。」と、芳賀さんは話しています。

テスト作成・修正工数70~80%減、リグレッションテスト工数はほぼ0に

mabl導入の効果は確実に見えています。テスト作成・メンテナンスの工数(特にE2Eテストの工数)は70~80%削減され、リグレッションテストにおいてはmablを実行するだけでよいので、手動テストが必要な一部を除き、ほぼ工数が0になりました。また、テストの新規作成以外はmablに任せられることから、開発チームの心理的負担が大きく減り、テストに費やされていた労力をテスト以外のプロダクト機能のブラッシュアップなどに充てることができるようになりました。さらに、リグレッションテストのカバレッジが広がったという手応えも大きく、バグも導入前と比較して、より多く確実にキャッチできるようになりました。クラウドサインでは、「マルチブラウザでのテスト」「フロー機能」「Data Table機能」「APIテストアドオン」といったmablの機能が役に立っています。

今後の展望:mablのポテンシャルを活かしきる

芳賀さんにmablを使った今後の展望について伺ったところ、「mablのポテンシャルを引き出し、QAチームとしてよりShift Left をはじめとした広い意味での品質にアプローチすること」という答えが返ってきました。また、現時点ではmablのテスト結果をまだまだ最大限活用できていないと感じており、mablの機能や強みをさらに有効に使うためにも、できる限りのテスト自動化をmablに任せていきたいそうです。

最後に、mablの導入を検討している企業や開発チームに対して、芳賀さんに一言お願いしました。

「ローコードで記述できる、かつクロスブラウザでテストが行える時点で mabl を導入する価値は十二分にあります。そのためにもプロダクトチームとして品質向上に向き合う土壌を整えること、加えて現状の品質保証について可視化することが事前準備として必要になるかと思います。ひとえに『テスト自動化』といってもその範囲・考え方はプロダクトの特性や背景に依存する側面があるかと思います。その中でうまく mabl を利用して、そのノウハウについて皆さんと気軽にお話、勉強させていただけると幸いです。そして私たちでどんどん活用して mabl をよりよいものに、ひいてはその mabl を利用している私たちが担当しているプロダクトの品質をより引き上げて行ければと思います!」

芳賀さんによると、導入当初はサポートが英語のみであったことが唯一の不便な点だったそうですが、2021年、日本のお客様に向けたサービスを提供するmabl 株式会社が日本に設立され、その問題は解消されたと言えるでしょう。
mabl導入によってテスト作業の工数を減らし、チームメンバーの精神的、物理的なコストを軽くしたクラウドサイン。確実な品質のプロダクトで、クラウド契約サービスが広く普及していくことに期待できそうです。

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